タスカルカードとは
障がいがあっても、役割があり、人の役にたち、感謝されて働きたい。タスカルカードは障害があっても働けるように、その一助となる仕組みです。
①障がい者スタッフの全仕事を分節化してカード化し、
②ホワイトボードに全カードを掲示(全体を可視化)
③各仕事が完了したら、しるしをつけ(進捗を可視化)
④よくできた仕事は、褒めるしるしをつける(評価を可視化)
この仕組みを導入したユーアイキッチンでは「わかった!」「できた!」「ほめられた!」のポジティブループが生まれ、働く意欲と作業効率だけでなく、職員の支援力も上がりました。
タスカルカードをつくった背景
障がい者にはできないことが多いというイメージがあると思います。でも、視力の不足は眼鏡をかけて補うように、障がいを補うツールがあったらどうでしょうか? 知的障がい者が苦手なことは、例えば、複雑な手順を理解することや、頭の中で仕事の優先順位を考えることです。それらを可視化して、次に何をすればいいかを明確にすれば、もっと主体的に働けるのではないかと考えました。それがきっかけです。
工夫したところ
・仕事カードを「イラスト化」。意図を明確にして、かつ、かわいくて愛着がもてるようにしました。
・ホワイトボードを使って全カードが一望できる「全体マップ」化。みんなが同時にすべての情報を共有できるようにしました。
・仕事カードは「個別に割り当てられたカード」と「選べるカード」の二種類あります。自分の責任の明確化と、新しい仕事へチャレンジできるようにしました。
・各自の「達成度」がわかります。一つの仕事が終了したしるしとして赤いマグネットをカードの横に貼り、自分やまわりの進捗状況を把握できるようにしました。
・「ほめられたことが持続的に積み上がって」いきます。評価のしるし「ゴールドお花」は毎日の終業時に、自分の名前の付いた容器に貯めることができます。毎月末に一番多かった人を表彰。表彰された人には「○月のNo.1」という王冠が付き、月間・年間を通して評価が見えるようにしました。
・「ITに過依存しない」。とことん自分たちで自由に動かせることを重視しました。
小冊子『タスカルカード 皆が笑顔で働ける仕組み』ができました!
「わかる職場を作りたい」「仕事ができたときはほめてあげたい。ほめる仕組みを作りたい」「もっとみんなが笑顔で働ける職場にしたい」。そんな思いで始まったユーアイキッチンのタスカルカード。1年半の取り組みを、みずほ福祉財団の助成をうけて小冊子にまとめました。
*2017年11月現在、本冊子の在庫はありません。
『タスカルカード 皆が笑顔で働ける仕組み』PDFはこちら→ taskalcard_96
「タスカルカード」に関するメディア掲載記事
・茨城新聞 2014年4月23日『作業カードでやる気アップ』
・『STIR』 2014年3月『可視化することでわかった自分の役割。やりがいがここにあった』
https://works.litalico.jp/stir/
・『SAKURASAKU』 2014年6月
・「『タスカルカード』によるタスク共有システム──皆が笑顔で働ける仕組み」が、いばらきデザインセレクション2014のソーシャルデザイン部門で選定を受けました。
いばらきデザインセレクション2014.pdf